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ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲のビデオ

1年以上更新が途絶えてしまいました。申し訳ございません。m(_ _)m

さて、ニューヨークのクラシック系FM放送局にWXQRというのがあります。
特に系列のQ2という局(チャンネル?)が気に入っているのですが、それはいずれ改めてご紹介させていただくことにしましょう。

実は今月(もうそろそろお終いですが)このWXQRがベートーヴェン特集をしていて、週替りでジャンルごとの特集をしているようなのですが、その一環として行われた弦楽四重奏の全曲演奏がビデオアーカイヴとして公開されています。

Beethoven String Quartet Marathon: The Complete Video Archive
http://www.wqxr.org/#!/articles/beethoven-awareness-month/2012/nov/18/beethoven-string-quartet-marathon-complete-video-archive/

演奏は若手のグループが中心ですが、いずれもなかなか生きの良い演奏ぶりです。

弦楽四重奏を全曲まとめて動画で見る機会というのはなかなかないので、ありがたいと思います。ラジオ局がビデオを撮って公開してくれるというのも嬉しいですね。気がかりなのはいつまで公開が続いてくれるか。11月のBeethoven Awareness Monthが終わったら消えてしまう、ということがないように祈ります。

ライプツィヒのマーラー祭とその映像

今、マーラー没後100年を記念した「国際マーラー音楽祭」がライプツィヒで行われている。ドイツを中心に英米墺蘭からも優れたオーケストラと今を時めく指揮者たちが集まって、マーラーの全交響曲を含む主要作品を演奏するという催しだが、ありがたいことにその全演奏会のヴィデオを中部ドイツ放送(MDR)のサイト(↓)で見ることができる。
 http://www.mdr.de/mahler
音楽祭のスケジュールは次の通り。

5/17,5/18 交響曲第2番
 シャイー指揮ゲヴァントハウス管
5/19 交響曲第3番
 サロネン指揮ドレスデン・シュターツカペレ
5/20 交響曲第10番(クック完成版)
 メルクル指揮MDR(中部ドイツ放送)響
5/21 交響曲第7番
 ネゼ=セガン指揮バイエルン放響
5/22《葬送》、《大地の歌》
 ルイージ指揮コンセルトヘボウ管、アンナ・ラーションAlt、ロバート・ディーン・スミスT
5/22 交響曲第10番よりアダージョ、交響曲第1番
 ゲルギエフ指揮ロンドン響
5/23《亡き子をしのぶ歌》、交響曲第5番
 ギルバート指揮ニューヨーク・フィル、トーマス・ハンプソンBr
5/24 交響曲第6番
 ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管
5/25《花の章》、《少年の魔法の角笛》、交響曲第4番
 ハーディング指揮マーラー室内管、モイカ・エルトマンSp
5/26、5/27 交響曲第8番
 シャイー指揮ゲヴァントハウス管ほか
5/28 交響曲第9番
 ガッティ指揮ウィーン・フィル
5/29 交響曲第8番
 シャイー指揮ゲヴァントハウス管ほか

今一番脂ののってそうな指揮者たちを揃えた、よい顔ぶれだと思う。
演奏はこれまでのところいずれも熱演ぞろいで、はずれがない。
個人的にはクック完成版の10番、《葬送》、《花の章》といったところが映像付きで体験できるのがとてもありがたい。
それにしても、《千人の交響曲》を中1日おいて3日立て続けに演奏する、てのもなかなかすごいね。

ブージーとシャーマーの楽譜ネット公開

イギリスの楽譜出版大手ブージー・アンド・ホークスBoosey & Hawkesが、20世紀以降の作品のスコアをネットで「閲覧用にperusal」公開しはじめた。入口はこちら↓

http://www.boosey.com/cr/perusals/

作品数は466点、作曲家を数えたら70人。

聞き覚えのある名前をAから拾っていくと、
ジョン・アダムス、ルイス・アンドリーセン、バルトーク、バーンスタイン、バートウィッスル、ブリテン、カーター、コープランド、ドアティ、デル・トレディチ、ディーリアス、ドラックマン、フィンジ、ヒナステラ、ゴリホフ、リンドベルイ、マクミラン、マルサリス、マックスウェル=デイヴィス、メレディス・モンク、ムソルグスキー、プロコフィエフ、ラフマニノフ、ラウタヴァーラ、ライヒ、ロレム、ラウズ、ストラヴィンスキー、トムソン、タネジ、クセナキス。
そうそうたる顔ぶれだ。

「現代もの」のはずなのにムソルグスキーは何故、と思ってクリックすると、《展覧会の絵》がラヴェル編とアシュケナージ編のオーケストラ編曲で出てきた。なるほど。ラヴェル版はともかく、アシュケナージ版というのは面白い。ネット上で閲覧するだけだから使い勝手が良いとは言えないが、タブレット端末などを使えば案外「鑑賞のお供」としてポケットスコア代わりに使えるかも。

実はすでにアメリカの大手シャーマーSchirmerもスコアのネット公開を行っている↓

http://digital.schirmer.com/

こちらもほとんどは20世紀以降の作品で、バッハやモーツァルトの名前も見えるが、編曲が新しいということのようだ。オーケストラ作品はスコアの全部、小編成の作品は数ページの抜粋を見ることができる。

作曲家数を数えると85人。個人的にはアンタイルのジャズ・シンフォニー、コリリャーノの交響曲、それに音大の図書館にもないウィリアム・シューマンの交響曲3番などがみられるのが嬉しい。

――などと書いておいてなんだが、実はシャーマーのサイトは今の私の環境ではちゃんとスコアを表示してくれない。前に何度か訪れた時にはちゃんと見られたのだが、今は妙に文字化けしたテキストのようなものがだらだらと表示されるだけ。pdcというファイル形式を使ってるようで、ブラウザがきちんと反応していないのかもしれない。

ともあれ、シャーマーとブージーという現代ものの2大出版社がスコアの公開を始めたというのは、新モーツァルト全集のネット公開に匹敵する快挙ではないかと思う。次はショットか?

フランス国立ジャズオーケストラ

フランス国立ジャズオーケストラの25周年記念演奏会というのをarte LIVE WEBで観ることができる。
http://liveweb.arte.tv/de/video/L_Orchestre_National_de_Jazz_feiert_sein_25jahriges_Jubilaum/

恥ずかしながら、フランスに国立のジャズオーケストラがあるというのをこれまで知らなかった。結成以来四半世紀も経ているうえに、1991年には来日もしているらしい。なんとまあ。

演奏はまあまあ。悪くはないが、飛びぬけて良い演奏とか、特別選り抜きのメンバーを集めたという風にも見えない。国立の看板をしょっているからと言って、とりわけゲイジュツ的な路線を目指しているというようでもない。

それにしても、こういうバンドがあるというということは、フランスではジャズというジャンルが国の予算をつぎ込んで保護されるべき文化財とみなされている、ということなのだろう。アメリカならともかく、フランスというところが興味深い。

ジャズってとっくに「保護すべき古典芸能」になっていたんですね。
日本はどうなんだろ。

モーガン・ライブラリーの手稿譜コレクション

作曲家の自筆譜コレクションとしては世界でも有数の規模を誇るニューヨークのモーガン・ライブラリーThe Morgan Library & Museumが、所蔵する手稿譜のオンライン公開を行うようになった。

Music Manuscripts Onlineのトップはこちら
http://www.themorgan.org/music/default.asp

現在参照可能な資料の一覧はこちら
http://www.themorgan.org/music/manuscriptList.asp

出てくる作曲家は
JSバッハ、バルフ、ベートーヴェン、ブラームス、ショパン、ドビュッシー、フォーレ、グリーグ、ハーバート、リスト、マーラー、メンデルスゾーン、モーツァルト、フィリップス、ラヴェル、ロッシーニ、サン=サーンス、シューベルト、シューマン、サリヴァン、ウェーバー。

作品で目につくところを拾うと、
ベートーヴェンの《皇帝》、ブラームスの交響曲第1番、ショパンの《英雄ポロネーズ》、マーラーの交響曲第5番、モーツァルトのピアノ協奏曲《戴冠式》、シューベルトの《冬の旅》に《魔王》、シューマンのピアノソナタ2番に《女の愛と生涯》、などなど。

これだけでもすごいものだが、作曲家一覧にはもっとたくさんの作曲家が挙げられているから、今後もっともっと増えていくことが期待される。

閲覧のインターフェースが使いにくいのが難点だが、時々覗いてみる価値はあるだろう。

Münchener Digitalisierungszentrum

ドイツを代表する図書館のひとつ、バイエルン州立図書館Bayerische Staatsbibliothekがやってるディジタル・アーカイヴ。中世の写本や19世紀の新聞など貴重な資料がディジタル化され、集められている。

国宝級の資料が惜しげもなく公開されている中で、いささか卑近にすぎる気もしなくはないが、音楽に関しては、ベートーヴェン、リスト、メンデルスゾーン、シューベルト、シューマンといった作曲家たちの旧全集があらかた収められているのが便利。この辺の作曲家の作品は基本的にペトルッチ・プロジェクト(ISMLP)で手に入るが、古いとはいえある程度身元のはっきりしたエディションが参照できるのは、とくにあまりメジャーでない曲の場合にはありがたい。作曲家たちとバイエルンとの関係はよくわからないものの(笑)、著作権切れの基本文献をディジタル化して公開する、というのはもはや必然的な流れだろうから、志のあるところ、特にバイエルン図書館のようなしっかりしたところが率先してやってくれるのは嬉しいことだ。

トップページの左側にあるメニューからDigitale Sammlungenを選び、内容一覧(Kurzübersicht)か検索(Suchen)で目的にたどり着くことができる。

cité de la musiqueのデータ検索

下()で紹介したcité de la musique liveだが、演奏者などのデータが必ずしもきちんと書かれていない場合がある。
例えば、アーノンクールとヨーロッパ室内管のコンサートでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いている超個性的なソリストが誰か、とか、ベルリン放送交響楽団(Rundfunk-Sinfonieorchester)を振ってシェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」や「モーゼとアロン」を聴かせてくれる指揮者が誰か、とか、けっこう肝心なデータが抜けているのである。

顔を見れば分かる、という人もいるだろうが、私には分からない。そこで調べました。幸いなことに、cité de la musiqueには立派なメディアライブラリー(médiathèque)があって、そのカタログを検索すると、そこに保存されている録音やヴィデオのデータが詳しく分かるのである。

http://mediatheque.cite-musique.fr/masc/

↑このページの左側にあるメニューからCONCERTS→RECHERCHE AVANCÉEと進んで、出てきた検索画面でテキトーな語を入力して検索すればOK。

ちなみにメンコンのソリストはツェートマイアー、シェーンベルクの指揮者はギーレンでした。