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吉成智子「奏楽を伴う来迎の思想」

奈良国立博物館で行われている「1000年忌特別展 源信 地獄極楽への扉」を見てきました。「往生要集」の普及に伴って描かれたさまざまな絵画が展示されており、その中に「阿弥陀聖衆来迎図」と呼ばれるものもいくつもありました。
実は家人が昔、これらの来迎図に描かれた奏楽場面について、それが描かれるようになった経緯を調べて論文を書いており、それもあって今回奈良を訪れました。
来迎思想、つまり人が死ぬときに極楽から阿弥陀如来をはじめとする菩薩たちがお迎えに来てくれる、という考え方は、「観無量寿経」という経典に由来するものですが、「お迎えの菩薩たちが楽器を持ち、音楽を奏でている」という考え方は、源信に始まる日本独自のものです。ただ、源信はその音楽の内容(楽器の種類や人数)についてはとくに規定していません。しかしその思想の普及とともに来迎の様子を描いたたくさんの「来迎図」が描かれ、その中で、しだいに楽器の種類や菩薩の数が変化し、固定化していくのです。吉成智子の論文は、その変化のプロセスと、その理由を、たくさんの来迎図を調査して描き出しました。


もう40年近く前に音大の音楽研究所年報に発表されたものですが、今回の展示の解説などを見ながら、あの論文をもう少しアクセスしやすい状態にしても良いだろうと思い、ネットで公開することにしました。CiNiiなどで論文のタイトルを拾うことはできるのですが、論文自体にアクセスするのは難しいからです。
ご関心のあるみなさまのお目にとまれば幸いです。

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